暗号資産(仮想通貨)を投資先として考えるための勉強(3) リスク

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仮想通貨の投資を考えるとき、どうしても値動きの激しさが気になります
過去何度も最高値から70%以上の暴落を起こしています

いったいなんでこんなに乱高下を繰り返すのでしょうか
その辺の理由がわからないままだと投資対象としては不安が残ります

詐欺話や税制なども交えて、仮想通貨のいろいろなリスクを勉強してみましょう

目次

値動きが激しすぎて、投資するのが怖い

やはりこれが世間のイメージで一番悪い部分でしょう
チャートがわかりやすいと思うので、さっそく見ていきましょう

引用:CoinMarketCap

CoinMarketCapさんのチャートを使わせていただきました、ありがとうございます

2013年以前のチャートがなかったので、それ以降になります

何回か、急な山ができてる

たしかに数年に一度、大きな山がそびえたち、
その後ものすごい急落が発生しています

この山が発生しているのは、半減期といわれる年の後半から翌年にかけてです
そしてその後は、70%超の暴落が発生しています

70%以上!?
こわすぎる・・・

ビットコインはマイナーと呼ばれる人たちが、
10分に1回の計算競争を勝ち抜いて報酬を得る(マイニングする)ことによって、供給量が増加していきます

報酬は4年ごとに半分ずつ減っていく仕組みになっています
それが半減期です

半分になっちゃうんですか?

そうです。最初の報酬は50BTCでしたが、
3回の半減期を超え現在は6.25BTCずつ払われています

そしてその半減期を過ぎると、過去のビットコイン価格は大きな上昇を繰り返してきました

理由として言われるのは、報酬が半減することによって、市場に供給される量が減ります
需要に対して供給が減るので、価格が上がっていくというものです

他には、マイナーの損益分岐点というものがあります
主なマイナーのコストは、マイニングに必要なマシンの購入代金や、電気代になります

マイニングできる量が減ってしまうと、コストが回収できなくなる可能性があります

そして採算が取れなくなったら困るから、ビットコインの価格は常に売却しても損しない価格、”損益分岐点”よりも上になっていくという理論です

あまり半減期を過信しない方がいいかもしれません

じゃあ半減期が来たら買えば儲かるんじゃない?

確かに期待はできますが、過信はしない方がいいですね
この理論はマイナー側の希望が強く出ている気がします

絶対に損益分岐点を下回らないかというと、そうとは言い切れないんじゃないかと思います
国の規制が厳しくなったり、要人発言、大口の売り浴びせなど、考えられるネガティブイベントはたくさんあります

損益分岐点を下回ったとしたら、弱いマイナーから淘汰されて
生き残ったマイナーたちを基準にして新たな損益分岐点が設定されるんだろうと思います

まあ実際、今まではこの損益分岐点を超えるように価格は推移してきたので、
無視するわけにはいかないのも確かでしょう

供給量が減っていく影響はどうなんですか?

これはマイナーの売り圧力の低下になるので、上昇する理由といわれています

マイナーは収入がビットコインの採掘なので、電気代その他のコストを支払うためにはどこかでビットコインを売却しないといけません
採掘できる量が減ると、それだけ売り圧力の低下につながるので、自然と価格は上昇するという理論です

今後もビットコインの需要が高まり続ければ、需要>供給の関係から価格の上昇は期待できそうですね

ただ半減期の翌年に必ず上がると決めつけるのは危険だと思います
あくまで過去の出来事では上がっていた、と思うくらいで良いと思います

2020年後半から2021年にかけての上昇相場は、確かに半減期の年の後半から翌年にかけての上昇と見れますが、
実際のところはそれ以外の要因も大きかったと思います

コロナのパニックから国民を救済するための、各国政府の金融緩和も大きかったはずです
大量に刷られた通貨が行き場を探し、投資家の資金はインフレ対策としてリスク資産に流れました

その大きな流れに乗って、仮想通貨も大幅上昇したと考えられます

半減期後の効果もあるとは思いますが、それだけではないと思っていた方がよいでしょう

今年に入り、アメリカはインフレ対策として緊急利上げを開始しました
リスク資産の代表である株はもちろん、金や仮想通貨も大幅に下落しています

金利が高い状態では、企業は銀行からの借金がしにくくなり、業績を圧迫してしまうのです
投資家も銀行に預けておいた方が低リスクで儲かるわけですから、市場から資金を引き揚げてしまいます

仮想通貨市場は、まさに景気の”気”の字、そのものを表していると思います

上がりそう、という世間の”気分”でブームが起こり、数年に一度大幅上昇をし、
ブームが去ったら、下がるところまで下がる

少しずつ需要は増えているので、下限は切り上がっていってますが、暴騰暴落はこれからも繰り返すかもしれません

結局のところ大事なのは需要ではないでしょうか
発行上限が2100万枚と決まっているわけですから、買いたい、使いたいと思う人が増え続ければ、将来的にはゆるやかにでも上昇していくはずです

値動きが荒いのは、流動性がまだまだ低いから

引用:8 Market Cap

8 Market Cap さんのデータをお借りしました、ありがとうございます
株式・コモディティランキングなるものです

上位には金や銀、有名どころの企業がズラリと並んでいます
この中でビットコインは15位にランクインしていますね

会社より下なの?

世界のトップ企業が桁違いの規模だという事の証明なのですが、
だとしてもこれだけ世間でビットコインという名前が認知されている割には、という気もしますね

つまりまだまだ発展途上なのです

もっとたくさんの人が売買に参加して、
時価総額も今以上に増えていかないと、価格変動が落ち着いてくれません

一時はビットコインの時価総額もあと10倍ほどで金の時価総額に迫る、というところまで行きましたが、
ここ最近の下落でまた30倍近くの差ができてしまいました

ビットコインですらものすごい変動なのですから、
他のアルトコインは言わずもがな、ですよね

流動性とは、簡単に換金できるかどうかの度合いです

自分が買いたい、売りたいときに、反対側にたくさんの取引相手がいれば、売買は簡単に成立します
取引相手が少ないと、お互いの希望価格での売買が成立せず、値段を設定しなおすか、望まない金額の取引に応じなければなりません
その時、価格が大きく動いてしまい、市場価格に影響を及ぼしてしまいます

このように取引する人の数、取引量は安定した価格を構成する大切な要素になります
時価総額が高い資産は、取引量も多く活発な状態になりやすいです
そしてそんな活発に取引が行われている資産は「流動性が高い」と表現されます

詐欺が横行し、国が規制に乗り出した

仮想通貨ブームのあと、2017年~2018年頃にはICOと呼ばれる、新しいコインを発行する案件が多数登場しました
立ち上げ時の資金を調達するために、投資家に広く募集するのです

困ったことに、ほとんどが実態のない詐欺案件だったといわれています

ほとんどが詐欺だったの!?

実際わたしも何件か申し込んだりして、一つも資産として成功したものはありませんでした
苦い経験です(^^)

各国政府の対応はそれぞれで、全面禁止にする国や、
有価証券として登録することを義務付けたりしてします

日本の場合は投資家保護のために、取引所が審査して合格したら発行できるというシステムを作りました

違いはあるんですか?

個人投資家がプロジェクトの中身まで調べるのは、実質不可能です
それを大手取引所が審査して、ここなら大丈夫!とお墨付きを与えてくれるわけです
購入する側も、心理的なハードルが下がることになりますね

税制で不利になることがある

株式投資や投資信託やFXで利益が出た場合、そこに課せられる税金は約20%になります

1000万円稼いでも、1億円稼いでも、
特定口座というところで購入した分に関しては、それ以上の税金は支払う必要はありません

申告分離課税といって、お給料とは別枠で計算されるのですね

しかし現在の法律では、仮想通貨は申告分離課税の対象ではないため、総合課税として計算されます
所得がお給料と合計されてしまうので、掛かる税金が結構大きめになってきます

じゃあ儲かっても
あまり残らないってこと?

元々のお給料が高い人などは税率は高めになるでしょう
その対策として証券会社では、申告分離課税の対象になる商品の開発もしていますね

いずれ国会で審議され、税率が改正されることを投資家は願っていますが、
まだいつになるかわかりません

大きな利益を抱えてても、税金が怖くて売るに売れない人が多いようです
そして売れないうちに暴落がたびたび起こるので、仮想通貨投資をより一層難しくしています

まとめです

  • 4年に一度の、半減期の年の後半~翌年にかけて上がることが多いが、過信は禁物
  • 過去には、半減期の上昇のあとはかならず暴落が発生
  • マイナーのコストから算出した損益分岐点がビットコイン価格の一つの基準だが、絶対とはいえない
  • インフレ資産からの退避として買われたため、上昇した
  • 流動性がまだまだ低いため、価格の上下が激しい
  • 新規発行コインは詐欺案件が非常に多かったので、取引所がお墨付きを与えたものを買う方が安全
  • 仮想通貨は総合課税に分類されるので、お給料が高い人ほど税率は高めになる

こんなところになりますね

ではまた次回に

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