前回のお話では、こんな感じのお話をしました
- インデックス投資は勝者のゲームと呼ばれている
- NASDAQ100指数はS&P500指数よりもハイパフォーマンスだが、連動する投資信託は積立NISAの対象銘柄に選定されていない
- 20年間の積み立て成績の平均値は、S&P500が2.01倍で、NASDAQ100は3.47倍
- NASDAQ100に毎月1万円ずつ積み立てた場合、20年後には800万円を超えている(税金は考慮せず)
- たとえ税金を考慮しても、NASDAQ100の成績は優秀
今回は、30年という長期間にわたる積み立て結果まで考察していってみたいと思います
20年を超えてくるので、積立NISAの非課税部分がだんだんと無くなっていき、税金関係の優位性がすこしずつ少なくなっていきます
その結果、最終的にどのくらいの差がつくのか見てみましょう
S&P500 と NASDAQ100 の30年積み立てシミュレーション
計算ルールは前回と同じです
ルールです
- 1986年から2021年まで積み立てをし続けた場合の、
S&P500とNASDAQ100、
それぞれの指数に連動した投資信託のシミュレーションをしてみます - 1986年1月~2021年12月の月始めに毎回1万円ずつ購入します
- 今回は30年間購入した場合の結果をまとめます
- 積立終了月の翌月始めの指数を最終結果として、その時の資産価値を判断します
- どの年に購入しはじめたかによって成績が変わるため、平均値を算出します
- 投資信託の基準価額は、わかりやすく
「指数=金額(円)」として計算しました - ややこしくなるのでドル円の為替レートは全く考慮しません
- 購入回数は30年の場合は360回です
NASDAQ100指数がスタートしたのが1985年なので、買いはじめるデータは1986年からという事にしました
30年分の積み立てデータを作るとした場合、スタート年が1986年~1992年の7年しかありません
すこしデータ量としては心もとないですが、指数の比較にはなると思います
S&P500の30年間の成績
開始年 | 積立成績 (元本に対しての資産倍率) | 指数成績 (30年間で何倍になったか) |
1986 | 2.63 | 9.65 |
1987 | 2.65 | 9.30 |
1988 | 2.90 | 10.86 |
1989 | 2.43 | 8.92 |
1990 | 2.97 | 9.18 |
1991 | 3.18 | 11.40 |
1992 | 3.73 | 11.46 |
平均 | 2.93 | 10.11 |
S&P500を30年間積み立てした場合の平均データは、資産増加率は2.93倍となりました
その間の指数の伸びは、10.11倍です
20年間の資産増加率が2.07倍だったので、それに対してさらに1.4倍ほど元本に対して増えていることになりますね
なかなか堅調といえると思います
ちなみにこの7回のデータはいずれもITバブル崩壊、リーマンショックを乗り越えていますので、
必ずしも順調に上昇し続けてきたデータではないです
1986年、1987年のデータはブラックマンデーも含まれています
こちらは開始直後に起きているので、長期積み立てとしては大きな痛手ではないですね
そういう暴落も含めて、長期投資の結果はこんな感じですよ、という参考になると考えます
いよいよ今回の本命データです
では次はNASDAQ100指数の、30年間積み立てを見てみましょう
NASDAQ100の30年間の成績
開始年 | 積立成績 (元本に対しての資産倍率) | 指数成績 (30年間で何倍になったか) |
1986 | 8.13 | 33.74 |
1987 | 7.81 | 29.40 |
1988 | 9.07 | 40.42 |
1989 | 7.58 | 33.24 |
1990 | 9.40 | 43.59 |
1991 | 11.75 | 55.72 |
1992 | 12.88 | 49.55 |
平均 | 9.52 | 40.81 |

えっ!?
全然違ってる



驚異的なデータにわたしも驚きです
30年間のNASDAQ100指数の伸びはなんと、40倍になっています
S&P500指数が10倍だったのに対して、伸び率4倍です
積み立て成績も平均9.52倍となり、S&P500指数の場合の3.2倍にまで資産がふくらむ試算になっています
わかりやすく比較表を作りましょう
毎月1万円ずつ30年間積み立てした場合の比較



積み立て金額360万円が
あと少しで10倍というところまで増えるというのは夢がありますね
20年の場合、30年の場合を、まとめて比較します
前回の20年試算データも含めて、まとめの表を作ります



どうしてここまで差が出るんですか?



年平均成長率の差ですね
NASDAQ100指数の方は、なんと驚異の13.2%になっています
この表だけ見ると、NASDAQ100一択でいいや、となりそうですが、
手数料で見ると、S&P500の方が優位になります
S&P500投資信託の運用コストは、安いものだと年0.11%程度から買えます
対してNASDAQ100投資信託の運用コストは、安いものでも年0.44%からになります
コスト差以上のリターンを出しているので無視してもいいとは思いますが、
気になる方は手数料の安いS&P500を選択した方がよいでしょう
S&P500のメリットは
このあたりになります
そしてNASDAQ100のメリットは
これに尽きると思います
今回のまとめです
資産運用の定番である積立NISA
その中で当ブログがおすすめなのが、S&P500連動の投資信託です
しかし積立NISAが使えない投資信託の中にもパフォーマンスが優れているものがあります
今回はその一つとしてNASDAQ100指数連動の投資信託を紹介しました
- NASDAQ100指数に連動する投資資産に毎月1万円ずつ投資すると、20年後には832万円、30年後には3427万円になっている計算(元本の9倍超)
- NASDAQ100の年平均成長率は驚異の13.2%、その間指数は40倍に成長している
- デメリットは積立NISAが利用できない事と、運用コストがS&P500の4倍かかること
- たとえ税金やコストを考慮しても、NASDAQ100の圧倒的パフォーマンスには夢がある
こんなところですね
さいごに、このブログの主旨は、積み立て投資などを駆使して
考える必要もなく
時間を味方にして
かんたんほったらかし投資で資産を築きましょう!
ということなので、積立NISAを使ってS&P500に投資しても、
特定口座を使ってNASDAQ100に投資しても、どちらでも良いと思います
わたし個人としては、いろいろな選択肢があった方が良いと思うんです
積み立てでも、自動売買でも、投資信託でも、ETFでも、CFDでも、暗号資産でも、なんでもいいんですよ
難しいものはパスです
自分のリソースをあまり割かない方法が理想です
その中で、自分に向いてる方法を見つけることが大事なのであって、
選択肢がせまいと、何がいいのかという比較すらできないですからね
人生の時間は有限ですから、
自分の生活の時間を奪わない方法で、かんたんな投資法を見つけていきましょう